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小山市田間・血方神社の神楽


[2004.04.18 内容を大幅に更新]
小山市指定文化財 第31号 昭和42年4月20日指定
※解説などは現場で頂いたチラシを参考にしました。

血方神社

栃木県小山市田間

主祭神:少彦名命(すくなひこなのみこと)
配神:伊弉冊命(いざなぎのみこと)
血の神・女性の守護神。血の病、下の病気を治す神様として信仰を集める。

小山市田間の血方神社では毎年4月第2土曜と次の日曜に春祭が行われています。
祭りでは神事が9時から、神楽が午前10時から行われます。(土日とも)
※実際は遅れて始まることが多いです。
神楽は岩戸神楽・太々神楽と言われるもので、全部で十二座あります。
茨城県下妻市の大宝八幡宮に伝わる神楽が、
茨城県八千代町蕗田の蕗田神社に伝えられたものを伝承したもので、
明治・大正の頃から一年も休まず行われているのだそうです。

ここの神楽の特徴は「五行の舞」が、地元の小学生の女の子によって行われることです。
神楽殿には5人ずつ10人の女の子が2列に並んで座っていますが、 「五行の舞」の時には中央にでてきて舞を舞います。
五行の舞は各演目の間に何度も行われます。
また、いくつかの演目では餅蒔きが行われます。

詳しくは、 小山市の公式ホームページ に映像付きで解説があります。そちらも参照してください。


ところで、幾つかの解説文章には「その地域の小学生2〜3年の女の子」とありますが、 実際には小学校に居る女の子が演じていたそうです。
それでも平成16年は少子化の影響で田間の女の子だけでは人数が足りず、 他の地域から募集したという話を小耳に挟みました。 伝統文化を守る難しさを感じます。
※サムネイルをクリックすると大きな画像(800x600)が見られます。
動画はMpeg1です。
写真は3年分まとめてあります。動画は平成16年のものだけです。
撮影年月日時分秒に関してはファイルネームを参照してください。


写真動画かいせつ
1
なぎなみの舞
国生み神事を主題とする舞。二神の舞ともいいます。
2
てんぐの舞
猿田彦命(さるたひこのみこと)の舞です。
天狗の面を付け、鉾と鈴を持って舞います。
3
やわたの舞
弓矢を持った軍の神による、邪心を祓う舞である、
と言われています。
4
稲荷のくわ舞
一対の狐が、田畑を耕す舞です。
農耕を主題としています。
5
いねかりの舞
その名の通り、稲刈りを主題とした舞です
鎌を持って稲刈りを行います。稲は五行の舞の女の子が持っています。
また、装束などはおきなの舞と同じものを用います。
6



ひるこの舞
えびすが登場して釣りをする舞です。
紅白の餅を餌に、観客からお金やお菓子を釣り上げます。
状況などによっておかめが登場して釣りの手伝いをします。
五行の舞の女の子が手伝うこともあります。
色々な物を釣り上げたり、
若い女性を引っ張り上げようとしたりもしますが(笑)
最後に鯛を釣り上げると終わりです。
7
おきなの舞
岩戸の舞の前の大祓を主題とした舞です
左手に太刀、右手に鈴を持って舞います。
8
うすめの舞
岩戸の舞の一部です。 日本の神話の岩戸開き主題としています。
榊の小枝を持って舞います。
9 たぢからおの舞
岩戸の舞の一部で、 うすめの舞の次に演じられます。
舞台の片隅に岩戸の在処を示す大きな榊の枝が用意されています。
手力男が荒々しい舞の後、この榊を戴くと次の舞に進みます。
10 天照大神の舞
岩戸の舞の一部です。 天照大神がうすめを従えて登場し、舞台を一周して 去ってゆきます。
演目名は特に出ず、「たぢからおの舞」の一部となっています。
11
やまずみの舞
たぢからおといれ代わりに山の神(やまずみ)が登場です。
更に荒々しい舞の後、行器(ほかい)に入れた餅を撒きます
12



五行の舞
血方神社の神楽の特徴となっている舞です。
一人を中心にして四人が方形になって舞います
詳細は以下参照…
13
おねり
笛を先頭に、神官・稚児・神楽師の順に並んで、
楽曲に合わせて表参道からゆっくりと拝殿まで進む行事です。
最初に行われます。この後神事となりました。

五行の舞詳細その1 舞の動作について

ここからは神楽の特徴の五行の舞の詳細です。 大まかに分けると3つの動作があり、それを繰り返します。
他の神楽でも似たような動作は見られますが、 神楽の基本動作でもあるようです。
写真動画かいせつ
(1) まず、真ん中に座布団を敷きます。
真ん中の女の子が黄色い御幣をもって
そこに座ります。
この女の子は最後まで
ほとんど動きません…。

他の4人は
赤・白・紫・緑の御幣を持ち、
向かって右側から
一人ずつ出てきます。
順番は余り決まっていないようです。
(2)
鈴を振りながら少しずつ前に進みます。
角に到達したところで
真ん中に向かって鈴を振ります。
このとき方向を
右回りに90°変えます。
(3)
次の四辺の真ん中まで進んだところで
また真ん中に向かって鈴を振り、
座って四回鈴を振ります。
(4) 一回りして立ち上がり、
大きく手を回しながら鈴を振ります。
最後に一回真ん中に向かって鈴を振り、
(2)の動作に戻ります。
(5) 上の(2)〜(4)を数回繰り返した後、
適当なところで笛で終わりの合図があり、
5人の女の子が前に出てきて並んで終了です。

五行の舞詳細その2 舞の装束について

とりあえず作画資料と言うことで(^^;;
女の子の装束は、
・緋衣
・緋袴
・千早
・冠
です。
扇子も持っていますが、いまだに広げたところを見たことがないです。

神楽の上演中はず〜っとこの格好ですが、
昼休みなど、女の子たちは冠・千早・緋袴ははずしています。
写真解説など
緋衣
真っ赤な着物です。
緋衣と緋袴は完全に同じ色ではなく、
緋衣の方が少し色が濃いです。
足首までの長さがあります。
身長によって長さは調節しているようです。
緋袴
朱色の袴でひだは箱ひだ、 白い飾り紐が付いています。
早い話が巫女の袴と同じです。
全員が同じ色の袴になっています。
千早
下の生地が透けて見える薄い千早です。
前の赤い紐を結びます。
背中には飾り紐が付いています

金色の冠で、四方に飾りが付いています
あごの下で紐で結んで落ちないようにしていますが
結構ずれるようで、何回も直していました。

鈴がたくさん付いた手持ちの鈴です。
振ってならします。他の舞の鈴の音より周波数が高いです
2段の鈴を用いています。他の例だと3段を用いることも
あるみたいです。
御幣
5色の御幣ですが、黄色が大地を表し必ず真ん中になります。
紫は、本来黒なのですが神前なので紫としているそうです。
扇子
扇子も持っています。
全然使ってないですが…。

各年度特徴など

今まで三年ほど見てみました。以下が各年の様子です。
写真解説など

平成14年4月14日(日曜日)
この年は初めて行ってみました。行くとちょうどお昼休みでした。

お昼からの演目は以下の通りです。
五行の舞 右
なぎなみの舞
やわたの舞
五行の舞 左
てんぐの舞
五行の舞 右
ひるこの舞
五行の舞 左
うすめの舞
たぢからおの舞
やまずみの舞


平成15年4月12日(土曜日)
この日もお昼から見ました。あいにくの雨でした。
観客も少なかったです。

お昼からの演目は以下の通り
五行の舞 左
五行の舞 右
稲荷のくわ舞
五行の舞 左
五行の舞 右
いねかりの舞
五行の舞 左
五行の舞 右
うすめの舞
たぢからおの舞
やまずみの舞

平成15年4月13日(日曜日)
このときは朝から出かけましたが、既に始まっていました…。
昼休みは装束の一部を神楽殿に置いていました。
晴れたおかげで土曜日と比べ多くの人が集まっていました。

見たものは以下の通り、間に昼休みを挟みます。
おきなの舞の前にも何かやっているはずです…

おきなの舞
五行の舞 右
たぢからおの舞
やまずみの舞
ひるこの舞
五行の舞 左
----昼休み----
五行の舞 右
なぎなみの舞
やわたの舞
五行の舞 左
おきなの舞
ひるこの舞
五行の舞 右
稲荷のくわ舞
いねかりの舞
五行の舞 左
五行の舞 右
うすめの舞
たぢからおの舞
やまずみの舞


平成16年4月10日(土曜日)
今度こそ計画的に、朝9時に着くようにしました。
既に撮影大会が始まっていました(^^;
またこの日は小山市と地元テレビ局が取材に来ていました。
そのおかげか、午前中はかなり人が多かったです
昼休みになると何故か皆さんになくなってしまいました…
午後はそれほど人が多くなかったです。

演目は以下の順番でした
五行の舞 右
五行の舞 左
なぎなみの舞
やわたの舞
天狗の舞
五行の舞 右
五行の舞 左
ひるこの舞
----昼休み----
五行の舞 右
なぎなみの舞
おきなの舞
てんぐの舞
やわたの舞
五行の舞 右
五行の舞 左
いなりの舞
ひるこの舞
いねかりの舞
うすめの舞
たぢからおの舞
やまずみの舞


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